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2009年9月 2日 (水)

パドルは杖、ハル(船体)は舵

自分はカナディアン左漕ぎですが、フォワードストロークでは左に曲がります。

普通、フォワードストロークではスイープ気味になって、漕ぎ手とは逆手側に曲がってしまうのが一般的です。

 

では、なぜ左に曲がるのか、パドル本来の姿にヒントがありました。

エンジン付ボートなどのスクリューは推進力を得るものですが、カヌーのパドルは引き寄せる道具であって、杖なのです。浅瀬の川などで、ゴリゴリとパドルを棒のように使うことがありますが、ある意味正しい使い方です。

川はあいにく川底の深さが一定では無い為、川底に届かなくなったパドルは、アンカーのような抵抗力をもつブレードが付けられました。

 

パドルの正しい漕ぎ方は、杖を手前に突いて、それを引き寄せる。その繰り返しです。

また、ブレードが付いてしまったので、水の抵抗を調整するために形状を工夫したり、Jストロークなどの技が生まれました。

杖は、漕ぎ手によって体重がかけられ、フネはリーン(傾く)します。

リーンはハル(船体)の形状によって多少性格が変わりますが、直進の場合、傾いた方向に曲がるのが一般的です。

つまり、パドルを杖のように引き寄せた場合は、漕ぎ手の方に曲がるのです。

 

フネの方向をコントロールするのはパドルのように思われがちですが、実はハル(船体)なのです。

大きな船には舵が付いていますが、カナディアンカヌー(フネ)には舵がありません。

パドルは時に舵として使うこともありますが、フネの舵はハル(船体)なのです。

つまり乗員(ヒト)の動く方向は、ハルの角度や傾きによって決められます。

スキーを参考に考えてください。ヒトはスキー板に乗って滑っているように思えますが、本当は人間が中心で、スキー板は方向やスピードを変える道具のひとつです。その変えるきっかけを作る道具はストックであり、カヌーで云うとパドルなのです。

 

カナディアンカヌーは、数多くのストロークによってフネをコントロールしていますが、基本は、杖を使ってハルの方向、スピードに変化を与えることです。

つまり、フネを操る(コントロールする)と云うことは、パドルで如何に水をキャッチし、体重を掛けてフネの向きや傾きを変えてあげるか!にあります。しかしながら最近のフネは、ハルの長さが短くなったことで、ホワイトウォーターなど浮力が足りない場合、舵が効かなかったり、また流れの中でコース取りを誤ると、フネのバウ(船首)がエディーラインに届かずエディーキャチが出来なくなったりと、コントロールが難しくなってきていると考えます。

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コメント

サダ吉さん今晩は!
話の難易度が更に上がりましたね。ここから先の話を理解するには、経験と物理学的分析能力が要求される領域になります。
まず左漕ぎでオンサイド側にターンしがちだとするとブレード面の中心は舟を含めた重心より右側を漕いでいることになります。
いいかえるとブレードは自分の真下を通り越して反対側を漕いでいるはずです。
一見ありえないように感じるかもしれませんが、流水艇ではオンサイド側にリーンをかけてシャフトをきちんと立てて漕げばそうなるのかも知れません。
キャンパーの場合ではオンサイド側いっぱいに着座して尚且つオフサイド側を上げるように座らないとそうはなりません。
カナディアンはカヤックと比較すると水面に対して高い位置から、腰を前後左右上下に動かしながらブレードに体重をかけて漕ぐことができるので、
ワンストロークで大きな力を舟に伝えることができます。そしてその力の方向はリーンの角度と密接な関係がありますが、私の理論では重心位置とブレードの軌道が舟の方向を支配していると考えています。
難しい話になってきちゃなぁ!!

投稿: S藤@キャンパー乗り | 2009年9月 3日 (木) 02時36分

考察追加します。
>最近の舟はハルの長さが短くなったことで、ホワイトウォーター
>など浮力が足りない場合、舵が効かなかったり、また流れの中でコース
>取りを誤ると、フネのバウ(船首)がエディーラインに届かずエディーキャチが
>出来なくなったりと、コントロールが難しくなってきていると考えます。
それはトリッキーな舟の設計なために、狙ったコースをきちんとトレースする能力を舟が乗り手に要求しているのです。
流水艇でもカヤックに比べれば瞬発力でのコントロールは利かないので、しかけてから舟が動き出すまでの遅延時間を考慮した先行動作で、少しでも遅らせない早めのコントロールが不可欠になります。

投稿: S藤@キャンパー乗り | 2009年9月 3日 (木) 03時27分

S藤さん、おはようございます!
早い?いや遅くまで起きていますね(笑)
S藤さんの理論で「重心位置とブレードの軌道が舟の方向を支配している」が、とてもよく分かります。
私の考察からすると、杖を突いて体重をかけることで重心位置が、本来の場所から振り子のように動いていると私は考えています。
昨年キャンパーやパスを漕がせてもらって気がついたのですが、フラットボトム構造ではリーンすると、とても強く流れを受け止めるのですね。話は流れをハルで受けるに続きますが、もう少し重心移動を考察してみよかと思ってます。(^^ゞ
トリッキーなフネは、漕ぎ手がそれを理解してないと、パドリングだけに頼って、沈を繰り返しますね(^^ゞ

投稿: サダ吉 | 2009年9月 3日 (木) 07時25分

どもです。

今年も漕ぎに出せなかったなぁ。

ベニスのゴンドラって、見た事あります?
小樽に実物が展示されていますが。

あの船体って、全体がバナナのように曲がっているんですよ。
パドル(と言うのか?)の先端がどのようになっているのか
判らないのですが、漕ぎ手が楽なように、まっすぐ漕いで自然に
直進するように設計されているようなのです。

もっとも、これは静水専用ですけどね。

こういうものを見ると、それぞれの歴史の中で工夫しているのだと感心します。

投稿: らふ | 2009年9月 3日 (木) 07時53分

らふさん、おはようございます!そうですかゴンドラは初めからハルの形状がバナナ型なのですね。回転性は重視していないようですので、重心移動で起こすリーンによるハルの形状変化は必要無いのでしょう。
お気づきのように、カヌーはリーンによって喫水断面の形状が左右で変化します。
ボトム形状がラウンドボトムとフラットボトムで、その形状や性格も変わるのが面白いと思います。
つぎの話は、カヌーは川の流れの力で動く!に続きます。

投稿: サダ吉 | 2009年9月 4日 (金) 08時55分

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