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2009年9月 5日 (土)

流れの力を借りてカヌーは動く

カナディアンカヌーの流水での漕ぎ方で、湖などのフラットウォーターとの決定的な違いは、流れと共にカヌーが動くことです。

 

先日の歴舟川キャンプツーリングで気づいた事ですが、カヌーにキャンプ道具を満載したフネは、意外な程に漕いでいて軽く感じ、反面、漕ぎあがろうとした時、その重さにビックリしたのです。

 

フネは荷物を積んだ重さで喫水線が下がり、その分、水の流れをハルで受け止めフネは進みます。

あたりまえの事ですが、フネは漕がなくても進むのです。

 

もしレースのようにタイムを競うなら、フォワードストロークで前進の力を加えることになりますが、そうでなければ無理に体力を使うことよりも、流芯を探してそれに乗ることの方が理にかなっています。

 

そこでカヌーは流れに任せることになりますが、川はご存知のとおり、流れの速さや方向が一定ではありません。

川は、緩やかな流れの瀞場があったり、傾斜や川幅が狭まる瀬があったり、岩や倒木のような障害物があったり、カーブがあったり、落ち込みや滝があったりと、流れは多様に変化するので、その流れを読む事が必要になってきます。

 

パドリングテクニックについては、上達者が多くいますし、自分にあった多様な漕ぎ方があると思いますので、ここでは省略させていただきますが、今回は表題から、流れの力を借りてカヌーを動かすを考えてみたいと思います。

 

フネを動かす力は、ストローク以外でも、川の流れ(パワー)にあることに気付いてもらえたと思いますが、それをコントロールするには、川の流れの見極めと、フネの性格について知る事が重要です。

 

最近のカナディアンスラローム艇は、絶対的に有利と思われる軽量化と、取りまわしを良くするため、全長の短いフネが多くなってきました。

確かに実績をみると、そのフネはスラローム競技での性能の良さがわかります。

しかし流れの強いコースでは、その性能を十分に発揮しにくい事も解ってきました。

短いフネは、向きを変えてもハルが舵としての役割が小さく、コントロールが難しくなります。

そして、その全長の短かさから、波に負けエディキャッチが難しくなったことも考えられます。

長いフネの利点は、バウが波を切り裂きストレートに漕ぎやすい事と、フネの角度を変えることで、長いバウをエディに送り込むのが容易になる事です。

よく長い流木がエディへ流れ着いているのを見かけますが、長いフネはバウがエディに刺さると自然に流れ着くものなのです。

つまり、強い流れの中では、より正確で力強いパドリングテクニックが重要になるのです。

また軽量化は先述の話の中でもしましたが、重心位置が高くなることでバランスを崩しやすくなる上、喫水線が上がることにより、流れの力を借りられず、スピードが乗らない事も弱点と考えられます。

そんなフネの性格を知った上で、流れを利用しフネを操ることが大切です。

 

話を流れを読むに移します。

フネは漕がないと川の流れと同じ速さで動いているように思いますが、実際はフネの重さと浮力により川の流れよりは遅れます。

そして流れによりハルは持ち上げられ、浮力が増しフネは安定します。

ならばそのまま漕がないでいても安定しているように思いますが、川の流れは複雑です。

たとえば勾配の急な瀬や落ち込みでは、前方への傾斜がフネを前進させようとするベクトルが生じます。

そのため、フネが流れの速さと同調する時期があり、そうなるとフネは浮力が小さくなり不安定になるのです。

落ち込みや瀬で沈する原因は、バランスの他、こんな事にもあるのです。

ちょっと話が反れますが、ウェーブでのサーフィンは何故フネが安定するのか、ここにも理由があります。

傾斜が前進へのベクトルを生むのと同じく、ウェーブの壁は後方へ傾斜し、後進へのベクトルが生まれることでフネはそこに留まり、より強い浮力でフネは安定するのです。フリースタイル競技は、その浮力と川の流れを利用し技をつくり出すのです。

話を戻しますが、エディラインでフネが不安定になるのは、流れより遅いフネが、エディライン際の流れの遅さと同調することで起こるのです。エディインでスピードが必要になるのは、この理由です。

 

話をまとめますと、フネは常に流れの中で力を与えられ、それを利用するにはフネの性格を知った上で流れを読むことと、正確なパドリングが必要になってくるのです。

 

パドリングテクニックについては、数ある書を読んでくださいね。

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コメント

サダ吉さん今晩は!
スレッドのレベルは上がったままですね。
読んでいてしっくりこないところもありますが、
>フネは常に流れの中で力を与えられ、それを利用するにはフネの性格を知った上で流れを読むことと、正確なパドリングが必要になってくるのです。
は、よく理解できます。
流芯やエディラインと自分の位置関係を常に意識して最小限のパドル数(無駄な動作をしない)で、流れの力を最大限に利用した操艇を心がけて行きたいですね。
今まで流水で私が見てきたところでは、ラウンドボトムの舟に乗っている方にリーンが甘い傾向があります。これは舟の形状が流れに影響を受けにくいことから乗り手がリーンに鈍感になっているのではないかと思います。リーンのコントロールができるようになれば、船はもっとうまく動かせるようになると思うのですが残念です。


投稿: S藤@キャンパー乗り | 2009年9月 7日 (月) 02時22分

S藤さん、おはようございます!
文才が無く、読みにくい文章ですみません。(^^ゞ
リーンは、フネの重心位置を変えると共に、水をハルにぶつけ、その力でフネを動かすので、とても重要ですね。
自分は、フラットボトムのニトロと、ラウンドボトムのシナジーの2艇に乗っていますが、リーンの性格がまったく違いますね。フラットボトムのフネは、リーンすることによってキールの位置が左右二つ、キールラインも右曲がり、左曲がりとなりますが、面白いことに前後の重心位置を変えることで、ラインの向きが変化します、(^^ゞ
そしてフラットボトムの一番の特徴は、フラットな形ゆえ、リーンしてボトム面に水を受けた力はラウンドボトムのフネより大きいことです。
余談ですが、ラウンドボトムのフネはエッジが無いため、よくエディラインで沈をします。自分もそうでした!(^^ゞ

投稿: サダ吉 | 2009年9月 7日 (月) 07時02分

補足です。
流れから船体が受ける力や方向についての考察はもちろん重要ですが、もう一つの重要な要素が先行動作にあります。この2つは関連していて分けてしまっては考えにくくなります。
たとえばストリームインの際、エディーで静止していた舟が下流方向に反転しながら流れに乗り加速しますが、必然的に重心よりも低いところ引っ張られながら加速しますので、意識して下流側に体重をかけて流れに進入できないと重心は上流側に残されたまま、そして逆リーンにより上流側ににキールを作ってしまい、更に下流側に強く加速しはじめるため沈につながる場合があります。
悪いことにこの悪循環が瞬間的に発生します。この現象はフラットボトムにはより強く現れ、ラウンドボトムには弱くしか現れません。このため最初からラウンドボトムに乗っていると、この悪循環の存在に気づけず伸び悩んでいる方をけっこう見受けます。
そうそう、エディキャッチの時は急ターンに急ブレーキなので遠心力に対抗したイン側へのリーン(本来の意味のリーン)を意識的に強くかけられればより安定した操艇になり、見た目にもきれいに見えます。(見た目に美しいことは、大事なことです。)

投稿: S藤@キャンパー乗り | 2009年9月 7日 (月) 21時27分

S藤さん、おはようございます!
なるほど、先行動作が大切なことが分かります!
ちょうど、次のスレッドに私の考察を書いていたところです。(^^ゞ
美しく乗ることは、大切なことですね!

投稿: サダ吉 | 2009年9月 8日 (火) 07時29分

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